太陽光発電所計画地の直下流域は、多くが土砂災害警戒区域になっています。
現在はコナラなど地下数メートルの深さまで根を張る「深根性」の樹木が優勢であり、地盤を支えていますが、発電所建設のために樹木が伐採されたら、伐採された木の根は腐り、地中に空洞が出来て土砂崩れが起こりやすくなります。
土砂崩れが起きれば、家屋が土砂の下敷きとなり、住んでいる人が死亡する恐れがあります。
2003年9月4日、4日間降り続いた雨により上流のダム(黒谷ダム)が満杯となり、大量の水が余水ばきから越流し、足守川の水かさがどんどん上昇し、下流域では堤防の上の方まで水が流れ、もう少しで洪水が起きるところでした。(避難勧告が出る一歩手前でした)。堤防が一部崩れた場所もありました。
当時の雨量は、黒谷ダムを管理している土地改良区の記録によると、前日までの3日間で131ミリの降水量があり、4日当日は97ミリの大雨が降っていました。
森林に降った雨は、数日間続く大雨でもない限り一度に大量に流れ出ることはありません。地中に浸み込んだり、樹木が吸い込んだり、葉によって蒸散するからです。
しかし、森林を伐採して太陽光パネルを大規模に設置すると、地面の不透水地率が飛躍的に上昇し、雨水の流出量が増大します。
また、樹木が無くなると、樹木が吸収していた水が吸収されなくなるので、水の流出量が増大します。
大規模太陽光発電施設には貯水池(調整池)を作ることは義務付けられていますが、想定を超える大雨が降った場合、貯水池の容量を超えてしまえば、超えた分の水は川に流れることになります。
各地で異常な集中豪雨が発生している現在、広範囲な森林の伐採は危険です。
出典:https://www.youtube.com/embed/BmK9pQGqb28
映像は、2011年9月3日の、台風12号通過時の足守川の様子です。
増水している様子が分かると思います。
発電所建設のために森林が伐採されると、川に流れる水も変わります。
発電所計画地の周辺は県内でも有数の規模を誇る「ホタルの里」ですが、発電所が建設されてしまえば、ホタルの生息に悪影響が出る恐れがあります。
ホタルの大規模な生息地は、県内でもそれほど多くありません。貴重なものです。
太陽光パネルは発電を停止することが出来ません。たとえ送電ケーブルを切断しても、太陽光パネル自体は、太陽光が当たっている限り発電を続けてしまいます。
漏電やショートなどが原因で火災が起きた場合でも、発電を停止することが出来ませんので、火災が大きくなってしまう恐れがあります。実際、太陽光パネルが原因の火災は、わりと起きています。
また、発電を停止することが出来ませんので、消火活動を行う人が感電する恐れがあります。 たとえば火力発電所で火災が発生した場合、消火活動を行う前に発電を停止します。消火活動を行う人が感電するのを防ぐためです。しかし、太陽光パネルでは、それができません。実際、太陽光パネルが原因の火災で消火活動をしていた人が感電した例があります。Cf. 太陽光発電システム火災と消防活動における安全対策(消防研究技術資料83号)
メガソーラーは火災の危険があり、また、火災が起きた際には結構危険なのです。